2012年5月16日水曜日

Pediatric Rheumatology Diseases


遺伝子の異常に起因する周期性発熱

全般的な紹介
最近の研究の進歩によって、いくつかの稀な発熱疾患の原因が遺伝子異常であ ることがわかってきました。これらの疾患の多くでは、患者の家族も発熱を反復している可能性があ ります。

遺伝子異常とはなにを意味するのでしょうか?
いわゆる遺伝子の突然変異といわれているものです。この突然変異は間違った情報を遺伝子の機能に付け加えることによって病気を引き起こします。人間のすべての細胞の中には、それぞれの遺伝子のコピーが2組ずつあ ります。1つのコピーは母親から、もう1とつのコピーは父親から受け継いでいます。
突然変異は
a) 両親に原因がある場合、遺伝形式は2つの異なった形式に分かれます。
劣性遺伝 両親が両方とも少なくとも1つの突然変異のある遺伝子を持っていることを意味します。両親は病気を持っていません、なぜなら1つだけの突然変異では病気を発症しないからです。両親からの遺伝子で発症する確率は4分の1です。
優性遺伝 1つだけの突然変異で病気を発症することを意味します。この場合両親のどちらかは、病気を持っています。子供に病気が遺伝する確率は2分の1です。
b) 両親に原因のない場合
胎児期に突然変異が起こります。いわゆるde novo突然変異といわれるものです。理論上は同胞にはリスクはあ りません。しかし発症した患児の子孫には優性遺伝と同じ確率でリスクがあ ります。すなわち、2分の1の確率で発症します。

遺伝性の周期性発熱
家族性地中海熱
家族性アイルランド熱あるいはTNF受容体関連周期性発熱症候群(TRAPS)

TRAPSとはなんですか?
TRAPSは常染色体優性遺伝で、通常2週間から3週間間隔の弛帳熱で発症し、消化管の通過障害、痛みを伴う赤い発疹、筋肉痛、歯肉の腫脹を伴うことがあ ります。この病気はごく最近認知され、理解されてきました。TRAPSの臨床経過は、14パーセントは2次的にアミロイドーシスと呼ばれる腎病変に移行しますが、それ以外は良性で自己完結型の疾患です。

どの程度の頻度の病気でしょうか?
TRAPSは確認された患者の数は100人以下の稀な疾患ですが、本当の疾患の頻度は現在でもよく解っていません。発症に男女差はなく、発症年齢は年長児や成人に多い傾向があ ります。
 報告された最初の症例はアイルランドとスコットランド系の人種でしたが、その後それ以外の人種でも報告があ ります。(フランス人、イタリア人、スペイン人、なんとか人、ユダヤ人、アルメニア人、アラブ人、カブール人)
季節や風土はTRAPSの経過には無関係であり、一生のうちどの時期に発症するかは予測できません。

TRAPSの原因はなんでしょうか?
TRAPSは遺伝的な異常をもつタンパク質(TNFRと呼ばれています)で引き起こされると言われており、そのタンパク質は患者の正常の免疫反応を過剰な方向に誘導すると言われています。
TNFと呼ばれる炎症性のホルモンは、TNFRで正常にコントロールされない場合、過剰に働き、炎症反応の程度を減少させます。
 この欠陥は、患者の不快な症状(発熱、悪寒、痛み)を説明できます。感染や外傷、精神的なストレスは疾患を増悪させると言われています。アミロイドーシスとTRAPSとの共通性はおそらく、どちらも慢性的な炎症性疾患であ り遺伝的な要素をもっているということです。

遺伝的な要素は?
TRAPSは遺伝的には優性遺伝のパターンをしめします、これは単一家系内にそれぞれの世代に一人以上の患者が見いだされることを意味します。事実、血族結婚が少しずつ、減少してきていることで、TRAPSのような複雑な疾患の発症は減ってきています。
TRAPSの責任遺伝子は12番目の遺伝子(12P13resion)上に存在します。
この遺伝子の突然変異により異常なTNFレセプターが誘導され、それが不適当な炎症反応を引き起こします。この遺伝子に関しては33カ所の異なった突然変異が特定されています。

何故私の子どもがこの病気になったのでしょう。予防できたのですか?
TRAPSを発症した子ども達は、胎児期の突然変異ではなく、この病気の遺伝子をTNFレセプター異常の遺伝子のキャリアであ る両親のどちらかから受け継いでいます。
この突然変異を持っている人は、TRAPSの臨床的な症状を持っているかもしれないし、持っていないかもしれません。この病気は一般的に発症を防ぐ方法はあ りません。

伝染する可能性は?
TRAPSは感染症ではありません、単なる遺伝的な要素による疾患です。


フィートの痛み

主要な症状は?
主要な症状は繰り返す2週間から3週間続く発熱発作です。発熱は悪寒戦慄、、体幹部と上肢の筋肉痛を伴います。典型的な発疹は赤色で皮膚や筋肉の炎症部位に一致した痛みを伴います。
大部分の患者が経験するのは、発作が起こる際の痙攣を伴う深い部位の筋肉痛で、少しずつ痛みは増悪していき、また四肢の他の部分にも広がっていきます。
吐き気と嘔吐を伴う広範な部位の腹痛が通常みられます。眼瞼結膜と眼窩周囲の腫脹は、TRAPSに特徴的な所見ですが、これは例えばアレルギーと言った他の疾患でも認められます。以上のような特徴的な症状の出現の仕方は、発作期間の長短により異なった表れかたをします。胸痛もまた、胸膜炎や心外膜炎の結果として出現することがあ ります。
アミロイドーシスは頻度は稀ですがTRAPSの最も重篤な合併症です。尿中に巨大な蛋白が出現し腎不全を引き起こします。

TRAPSの子どもはすべて同じ病状でしょうか?
TRAPSの症状の出現の仕方は多様です、すなわち発症している期間も発作のない時期の期間も症例により異なります。主要症状の出現の組み合わせもまた様々です。これらの違いは遺伝要因により説明できると思われます。

どうやって診断するのですか?
専門医は臨床症状と家族歴からTRAPSを疑います。いくつかの血液検査結果は発作中の炎症反応の程度を検出するのに有効です。TRAPSの診断の唯一の方法は、突然変異の証拠を遺伝子診断で確定することです。
鑑別診断としては、特に家族性地中海熱や高IgD症候群などが挙げられます。

治療法は?
現在のところ、TRAPSに対する治療はありません。NSAIDsは発作時の症状を緩和するのに役立ちます。大量ステロイド療法(ステロイドパルス)はしばしば有効ですが、逆に深刻な不利益をもたらすこともあ ります。特異的なTNF阻害剤は、発熱発作の初期の患者には有効なことがあ ることも知られています。

治療期間はどれくらい?
発熱を予防する方法がないので、治療は急性期の症状がある時だけです。

病気はどのくらい続くのですか?
生涯を通じて不定期に反復するのがTRAPSの自然経過です。

TRAPSの長期的な予後はどうなのでしょう
最悪の転帰をとるのはごく少数の患者ですが、2次性のアミロイドーシスが危険因子となります。この危険因子は、遺伝的な要因と環境因子の両方が関係しますので簡単には決めつけられません。
アミロイドーシスは深刻な合併症であり、しばしば腎不全に移行します。
現時点では、この合併症が避けられるものかどうかの判定は誰にもできません。

完全に回復する見込みはどうなのでしょう
完全に治癒する可能性は否定されていません。実際、遺伝子的なTNFRの構造変化は、全身の機能に異常を引き起こしません。さらに、発熱を引き起こす強力な物質にさらされなくなると、寛解が得られるかもしれません。


メバロチンカイネース関連周期熱症候群Mevalonate kinese Associated Periodic fever Syndrome;MAPS (別名高IgD症候群HIDS)

どういう病気ですか?
MAPSは遺伝的な周期熱(間歇的な)の一つです。患者には発疹や頸部リンパ節の腫脹、嘔吐、腹 痛、下痢を伴う繰り返す発熱発作を認めます。MAPSの最重症型は、稀な疾患であ り、生下時から発症するタイプで、通常メバロチン酸尿症として知られています。
このタイプの患者は、重篤な発熱発作に、発育障害と神経学的な障害を伴います。最も症状の軽いタイプは、高IgD症候群としてしられています。この名称の由来は、この疾患の患者の大部分に血清中に高濃度のIgD(Hyper IgD: HID)が確認されたことによります。

発症の頻度はどうなのでしょうか
MAPSは稀な病気です。世界中で約200人の患者が報告されているだけです。
大部分の患者は症状の軽いタイプすなわちHIDSです。このタイプは西ヨーッロッパ特にオランダやフランスでよく認められます。
それ以外のタイプは、少数民族の間で認められます。男女差はありません。最初の症状は、通常幼児期に大部分は1歳未満に発症します。


治療思春期のうつ病

MAPSの原因はなんでしょか
MAPSは先天性の代謝異常です。原因は遺伝子に由来します。その遺伝子はMVKと呼ばれます。すべての遺伝子は特異的な蛋白に対する構造を持っています。MVKはメバロチンカイネースという蛋白に特異性を持っています。メバロチンカイネースは酵素すなわち生体内の化学反応を触媒するタンパク質です。この酵素が関与する化学反応は、メバロン酸塩をリン酸メバロン酸塩に変える反応です。この反応は、体細胞では重要な初期の反応です。良く知られた生成物の1つとしてコレステロールがあ ります。
遺伝学的には、酵素の障害により、人間の代謝に影響を与えます、従ってMAPSのような疾患は先天性の代謝異常として知られています。MAPSの重症度は、メバロチンカイネースの障害の程度によります。HIDSのような症状の軽いタイプでは、酵素活性は正常の1から10%保たれています。
MAPSは自己免疫疾患です。現在進行中の研究にも拘わらず、メバロチンカイネースの障害がどうして、発熱や炎症に結びつくのかわかっていません。発熱発作の間、生体はあ たかも重篤な感染と戦っているような全身的な反応をしめします。つまり、発熱、食欲減退、不快感、白血球の増加やCRPの上昇などの症状です。炎症を引き起こすような感染はあ りませんが、MAPSは自己炎症性疾患として知られています。
常に存在するはずの遺伝的な障害がなぜ、発熱発作の時だけに疾患を引き起こすかについてはよく解っていません。発熱発作は、特に誘因なく起こりますが、感情的なストレスや、軽症の感染症(例えば少年期のワクチン接種)によって起こることもあ ります。
MAPSを発症した女性は、生理が発症の引き金になることがあります。また妊娠により症状は軽快します。

遺伝形態は?
ほとんどの人間の遺伝子と同様に、MVKはすべての体細胞にコピーが2個をもっています。1つは父親から、もう1つは母親由来です。周期熱は両方のMVK遺伝子が同時に障害を受けたときに発症します。
これは常染色体劣性遺伝として知られています。父親と母親がそれぞれ原因遺伝子を持っていることになります。1つだけの遺伝子が異常でも発症しません。健康な保因者の夫婦は子供達に障害のあ る遺伝子を伝えてしまいます。
この夫婦から生まれる子供達には、50%の確率で健常保因者になるか、25%の確率でMAPSを発症する確率があ ります。
夫婦のどちらかだけが、保因者の場合は発症の可能性はなく子供達は保因者になるだけです。

伝染性は?
伝染性はありません

主な症状は?
 2から12週間隔で繰り返される、3日から7日の発熱発作で、発熱発作は突然はじまり、しばしば悪寒戦慄、寒気、顔色不良あ るいは四肢末梢や唇ののチアノーゼ、時には痙攣を伴うこともあります。
頭痛、腹痛、食欲不振、気分不良等が一般的に見られます。
大部分の患者で、吐き気、嘔吐、下痢が認められます。
発疹や痛みを伴う口腔の潰瘍、関節痛はすべて起こりえますが、しかし最も特徴的な症状は、頸部(あ るいはその他の部位の)リンパ節腫脹です。

この病気はすべての発症児で同じ症状を呈しますか?
突然変異の種類によって、軽いタイプ(HIDS)、非常に重いタイプ(Mevalonic
Aciduria)までが混在します。

診断の方法は?
まず臨床症状から疑いがもたれます。
高IgD症候群と名前はついていますが、IgDは正常値であることが多くとくに幼児ではその傾向が強いです。
診断は、発熱発作中の、尿中のクロマトグラフィーによりさらに疑いが高まります。
この疾患の場合、尿中クロマトグラフィーはMAPS酸が高値を示します。

最も大事な検査は何でしょうか
臨床検査では発作の間に血液中の炎症性のマーカーである赤沈やCRPが上昇します。
IgDはしばしば上昇しますが、疾患の初期の段階ではIgDは正常範囲内であ ることもあります。

治療可能な疾患なのか
MAPSは治療不能です。発作を制御するような有効な治療はありません。しかし安全で効果的な治療を見つけるための研究は進められています。

どんな治療があるのか
NSAIDsやプレドニンが有効な治療となる時があります。TNF blockerや研究中です

どの位の期間の病気なのか
一生続く病気です

予後はどうなのでしょう?
軽症例(高IgD症候群)では年齢とともに軽症化していきます。それ以外の症例では関節炎が進行しますが、高IgD症候群では臓器障害はあ りません。


肩の痛みの自然


CINCA症候群と関連疾患
Chronic Inflammatory Neurological Cutaneous Articular (CINCA) Syndrome and related diseases
CINCA症候群(北米ではNOMIDと呼ばれている)はまれな遺伝性の周期性熱です。しばしば認められる症状は出生時や生後1週以内の発疹です。CINCAという名前の意味は神経学的な症候や症候としての慢性髄膜炎、最も重要な症状としての関節症状を持つ、乳児期の病気であ ることを意味しています。

どの位の頻度があるのか
CINCAは非常に稀な疾患です。恐らく、世界中で1000例以下の報告しかあ りません。ほとんどの症例で出生時に発疹を認めます。男女に発症率の差はあ りません。また人種間の差もありません。また季節による発症率の差も認めません。

病気の原因は何でしょうか
遺伝的なものです。半分の症例では、CIASIと呼ばれる遺伝子の突然変異によって引き起こされます。この遺伝子は、一番染色体上に位置します。クリオピリンと言われる蛋白質に関する情報が含まれています。この事実は、遺伝学的には修正された遺伝子が人間の炎症反応の阻害因子になっていることを意味します。
しかし、その正確なメカニズムは未だ明らかになっていません。またCIASI発症の特別な因子はあ りません。

遺伝する病気なのか
多くの場合同一家庭内には、発症者はいません。CINCAの場合胎児の時代に遺伝子は損傷を受けるからです。いわゆるde novo突線変異です。もし両親に突然変異がない場合は、CINCAを発症した同胞がいても発症のリスクは大きくなりません。反対に、CINCAの患者が成長し子供を持った場合、その子供がCINCAを発症する確率は50%となります。突然変異が認められない症例では、遺伝学的なリスクは同様と思われます。

何故私の子供がCINCAになったのか、予防することができなかったのか。

CINCAは遺伝病なので、一生のうちに必ず発症します。もしCINCAの子供を持っている両親がCINCAのない子供を望んだ場合、遺伝学的なコンサルトを望むのは当然のことです。
最終的には、胎児診断が片親からの突然変異が原因の場合には唯一の方法になります。はっきりしているのは、超音波検査による、胎児診断ではCINCAを診断することは困難だということです。

伝染しますか
伝染する病気ではありません

主な症状は
出生の時点で半数は未熟児です。しばしば感染症を伴うように見られますが、起因菌は見つかりません。最初の症状は、痒みのない蕁麻疹用の皮疹です。また症状の日内変動があ ります。2番目の症状は関節症状です。痛みがもっとも多い症状です。
時には、関節の変形を伴わない持続しない関節の腫脹が認められることがあ ります。
重症例では(50%以下)、膝関節の軟骨や骨端線の過成長により関節の変形を引き起こします。これらはレントゲンで判断できます。
慢性の髄膜炎により慢性的な頭痛が見られます。頭蓋骨はしばしばサイズが少し小さい傾向があ ります。また時々、大泉門の閉鎖の遅延が認められます。
頭蓋内圧の亢進は、多分頭痛に関連していると思われます。眼球の異常は時の経過により出現します。視覚障害は慢性の炎症が原因となり、乳頭浮腫も時々出現します。
感音性難聴も程度に差はありますが認められます。
進行性の成長障害を認めます。年長児では、手が短くて厚く四肢末端がグローブ状になります。

すべての患児で同じような症状がでますか
違います。軽症例から重症例まで様々なパターンが存在します。約10パーセントの症例では、中枢性の炎症は認めません。50%以下の症例では重篤な関節の症状は認めません。

どのように診断するのか
CINCAは臨床的な背景でまず疑い、遺伝子診断で確定します。遺伝子の異常は半数の症例で認められます。それ以外の症例は、現在未だ知られていない遺伝的な異常によるものだと考えられます。

治療できるのか治癒するのか
CINCAは治癒することはありません。また発作を阻止するような治療もあ りません。しかし症状を抑える治療により、炎症と痛みを改善することはできます。最近の研究では、新薬が現在開発中です。


どんな治療があるのか
痛みをコントロールする薬としてNSAIDsやステロイドが使われていますが、疾患を治癒させるような治療ではあ りません。エターナセプトという抗TNF薬が試みられましたが、結果については現在論争のまとになっています」。
理学療法は、特に関節の変形を伴う場合は重要です。伸展や歩行の補助が必要です。
聴力障害を持つ子供には、聴力教育が必要です。年長児では眼障害が、角膜の損傷による視野障害による場合、少数の子供達には、角膜移植が行われています。
眼科医も必要であれば治療に関連を持つべきです。

どの位続く病気なのか
CINCAは一生続く病気です。

予後はどうでしょうか
CINCAを発症した子供達は病気の経過中ずっと成長障害を伴います。機能的な意味でのCINCAの予後は関節症状の重症度によります。生命的な意味での予後は慢性の髄膜炎の重症度によります。不幸な稀なケースでは、脳障害で予後が決まることがあ ります。


Muckle-Wells syndrome (MWS)とFamilial Cold Urticaria (FCU)

上記の2個の疾患はしばしば年長児や成人で認められ、同じ遺伝子の突然変異を原因とする疾患です。しかし半数の症例ではCIAS1に突然変異を認めません。研究は2003年から北米や欧州の10の施設で進行中です。
家族制寒冷蕁麻疹は寒冷にさらされると発症します。


遺伝的な異常が知られていない周期性の発熱

Periodic fever with Aphtous Pharyngitis Adenitis (PFAPA)

どういう病気ですか
PFAPAは周期性熱、アフター性の胃炎、咽頭炎、頸部リンパ節炎の略称です。この病気は繰り返す発熱発作と、2歳から4歳といった早期に発症することで特徴ずけられています。慢性の経過をとりますが、長期的には良性の経過をたどります。この疾患は1987年に初めて認識され、最初はMarschalls症候群と呼ばれていました。

どの位の頻度で起こる病気ですか
PFAPAの発症頻度はわかっていません。しかし一般に思われてる以上に発症率は高いと思われます。

病気の原因は
正確な病気の原因は現在の所わかっていません。有熱期間、感染に対する免疫機構は活性化されています。この活性化が発熱を伴う炎症反応と口腔や咽頭の炎症を導きます。この炎症は自己完結的で、発作の間には、全く炎症反応を認めません。発作の時も感染の兆候はあ りません。

遺伝しますか
例外的に家族例が報告されていますが、遺伝学的な原因は証明されていません。

伝染性がありますか
感染性の因子がPFAPA症候群のなかである程度の働きがあるとしても、感染性の病気ではあ りませんし伝染することはありません。

主要な症状は
主たる症状は、咽頭痛や口腔潰瘍や頸部リンパ節腫脹を伴う繰り返す発熱発作です。
最初の発熱発作は、突然起き通常3日から6日続きます。発熱している間、患児は重篤感があ り、上記に挙げた3つの症状のうち少なくとも1つを訴えます。発熱発作は数週間毎にあ ります。発作の間は、全く症状がなく活動性も正常です。発作の間は完全に健康に見える患児たちの発達には問題があ りません。

すべての患児達に同じ症状がでるのか
上記のように主要な症状はすべての患児に出現します。しかしながら、軽症の患児もいますし、あ るいは上記以外の症状(不快感、関節痛、腹痛、頭痛、嘔吐、下痢、咳)をもつ患児もいます。

診断はどうするのか
PFAPAを特異的に診断可能な臨床検査や画像診断はありません。この病気は臨床的に診断されます。診断確定前に、同じような症状をもつすべての病気の除外診断が必要となります。

臨床検査値は
赤沈やCRPのような一般的な炎症反応の指標となる臨床検査値は発作の間、上昇しています。

治療は、治癒するのか
PFAPAを治癒に導くような、特異的な治療法はありません。従って治療は、発熱発作時の様々な症状を押さえ込むのが目的となります。多くの症例では、経過を見ているうちに、症状は消失してしまいます。

実際の治療は
症状は多くの場合、解熱剤やNSAIDsにはあまり反応しません。症状が始まった時に、プレドニンを使用すると症状の期間の短縮を認めます。しかしながらこの治療によって、発作の間隔が短くなり次の発熱発作が早くきてしまうと言う欠点があ ります。特定の患児には扁桃摘出術も考慮されます。


この病気の自然経過は
この病気は2年から3年の経過で終息します。時間がたつにつれて発作の間隔が広がり、最後には症状が出なくなります。

完全回復の見込みは
長い目で見れば、通常成人になる前にPFAPAは軽快します。PFAPAを発症した子供達はこの疾患の長い経過にも拘わらず、発達障害を認めません。成長、発達ともPFAPAによって影響を受けません。
(訳:鹿児島大学小児科 重森雅彦)

 



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