1.ヒブワクチン接種後に男児死亡 基礎疾患あり、因果関係不明
2.都立5病院、病気別手術数などネットで開示
3.病院への資金提供「総額など開示を」 製薬協が指針
4.筑波大など、最先端がん治療法「BNCT」実用化へ産学官で新組織
5.携帯音源の音量注意を 「異常なし」でも聴力低下
6.脂肪蓄積をイサダが抑制 機能性食品への利用期待
7.パーキンソン病未承認薬、アルツハイマーに効果
8.花粉症、気管支ぜんそく 原因物質作る仕組み解明
9.【厚労省】新薬13成分を薬価収載‐アルツハイマーで2種類、初の経口抗凝固剤も登場
10.インドネシアで新たに鳥インフルエンザH5N1のヒト感染例
11.カンボジア、エジプトで鳥インフルエンザH5N1のヒト感染例を確認
12.認知症末期患者への人工栄養・水分補給、9割の医師が「導入判断難しい」
13.糖尿病治療薬の選択 安易なクラス内の切り替えは最適な治療オプションにならず
14.最新DI:【新薬】エルデカルシトール
15.PPI併用はアレンドロネートの効果を損なう
16.ビスマス製剤含む4剤併用がCAM耐性ピロリに高い有効性
17.埋め込み型無線血行動態モニタリング、心不全患者の入院率を大幅低減
18.吸入コルチコステロイド連日投与、小児の軽症持続型喘息に有効:TREXA試験
19.Diabetics have higher risk of death from cancer
20.Tight Blood Sugar Control May Put Some Diabetics at Risk
21.Diabetes Ups Death Risk Overall, Study Shows
22.Heart Failure Patients Don't Need Continuous Infusion of Diuretics: Study
23.Ibuprofen Linked to Lower Parkinson's Disease Risk
24.病院報告(平成22年11月分概数)
25.プレスリリース
1) Avian influenza – situation in Indonesia
2) Opioid Pain Killers Linked to Increased Risk of Some Birth Defects
3) 筋肉における新しい糖取り込み調節機構の解明
4) DNAの複製メカニズムに新たな発見
5) 喘息・花粉症の原因物質産生は、合成酵素の2つのアルギニン残基が鍵
6) 後期転移性乳がん患者様における「HALAVEN®」の主要臨床試験結果がLancet誌に掲載される
7) The Lancet Publishes Results from Pivotal Study of Eisai's Halaven™
8) アムロジピンOD錠2.5mg/5mg「トーワ」・アムロジピン錠2.5mg/5mg「トーワ」の高血圧症に対する2251例の使用成績調査の結果公表について
9) 血中の酸素飽和度など測定するパルスオキシメーター「ファインパルス」2機種を発売
10) 抗精神病薬オランザピンの適応追加申請~双極性障害におけるうつ症状の改善~
11) 新たに判明した忠犬ハチ公の死因について
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1.ヒブワクチン接種後に男児死亡 基礎疾患あり、因果関係不明
共同通信社2011年3月3日
兵庫県宝塚市は2日、市内の医療機関で子どもの細菌性髄膜炎を予防するヒブワクチンなどの接種を受けた2歳の男児が死亡したと発表した。市によると、男児には基礎疾患があり、接種との因果関係は不明。
市によると、男児は2月28日に任意でヒブワクチンと小児用肺炎球菌ワクチンの接種を受け、翌3月1日に死亡した。医療機関はすでに厚生労働省に報告。同省は因果関係などについて調査する方針。
同省によると、ヒブワクチンは2008年12月、小児用肺炎球菌ワクチンは10年2月に国内での販売が始まり、今年1月末までに延べ約523万人がいずれかの接種を受けた。
ヒブワクチン接種後の死亡例は、1歳未満の男児の事例(昨年11月)が1件報告されているが、小児用肺炎球菌ワクチンでは初めて。
2.都立5病院、病気別手術数などネットで開示
日本経済新聞社2011年3月3日
東京都は2011年度中に、総合病院の機能を持つ全5カ所の都立病院で救急患者数や病気別の手術数などの医療情報をネットで公開する。すでに一部で始めており、拡大する。患者が病院を選ぶ際に役立ててもらうほか、基礎的な情報を比較しやすくして、業務の改善を促す狙いもある。情報開示を進めることで民間並みの経営感覚を取り入れる。
公開するのは「臨床指標」などと呼ばれる情報。職員数、入院患者数といった基本情報のほか、部位別のがん患者数、診療科別の患者数、患者のうち院内で床ずれや転倒・転落を経験した人の割合、入院患者に実施した満足度調査の結果なども示す。すでに大規模な民間病院などでは実施しているが、自治体の病院ではまだ少ないという。
現在、都立病院は8カ所あるが、このうち専門病院3カ所を除く、5カ所で公開する。すでに10年から墨東病院(東京・墨田)、広尾病院(同・渋谷)で試行的に実施。このほど、多摩地域の中核病院と位置づける多摩総合医療センター(東京都府中市)でも始めた。来年度中には、大塚病院(東京・豊島)、駒込病院(同・文京)でも実施する方針だ。
これまで各病院が内部で持っていた情報を広く公開することで、患者の目が厳しくなり、医療の質の向上も期待できるという。医療関係者にとっても、例えば、転倒の発生率などを年度ごとの推移を見たり、他病院と数値を比較したりすることで、改善策が探りやすくなる。
都立病院は主治医以外の医師の意見を聞く「セカンドオピニオン」の充実や、電子カルテ、クレジットカード決済の導入など患者へのサービス向上に取り組んできた。情報公開の面でも民間の先進事例に近づける。
3.病院への資金提供「総額など開示を」 製薬協が指針
日本経済新聞社2011年3月3日
新薬メーカーで構成する日本製薬工業協会(会長・長谷川閑史武田薬品工業社長)は2日、大学や医療機関に対する資金提供などの情報を公開する際の指針を発表した。寄付金や学会共催費は提供した団体名、講演の謝礼や原稿執筆料は提供した団体と個人名を金額とともに開示することを求めた。2012年度分の実績を13年度から各社のウェブサイトなどに掲載するよう、会員各社に促す。
製薬会社による資金提供の状況を開示する動きは海外で広がっており、日本でも各社が自主的に説明する必要があると判断した。研究費や臨床試験費、講演会費、説明会費などは年間の総額を開示する。接待費などその他の経費も総額の開示を求めた。
4.筑波大など、最先端がん治療法「BNCT」実用化へ産学官で新組織
日刊工業新聞社2011年3月3日
筑波大学は最先端のがん治療法「ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)」の実用化を推進する産学官のコンソーシアムを今夏までに立ち上げる方針を固めた。
加速器から照射する中性子を使ってがん細胞だけを破壊する治療法で、他の放射線では治療が困難な多発性がん、浸潤がんなどに有効とされる。コンソーシアムは小型加速器の開発と医療に利用するための薬事法に基づく登録、運用方法の確立に加え、臨床研究を重ねて次世代のがん治療法として「先進医療」の認定を目指す。
コンソーシアムは筑波大学のほか、茨城県、高エネルギー加速器研究機構、日本原子力研究開発機構、重工メーカーなど、2010年4月に立ち上げた研究会を母体に産学官が連携。コンソーシアムの下に人材育成、加速器やその電源に関係する設備整備、開発した加速器の維持管理を行う設備管理の3部会を置く。組織代表には筑波大付属病院副病院長の松村明氏が選ばれる見通し。
5.携帯音源の音量注意を 「異常なし」でも聴力低下
共同通信社2011年3月3日
イヤホンなどを通じて携帯音楽プレーヤーを大音量で聞き続けると、雑音の中で音を聞き分ける能力が弱まるとの研究成果を、自然科学研究機構生理学研究所(愛知県岡崎市)の岡本秀彦特任准教授らがまとめ、2日付米科学誌プロスワン電子版に発表した。
この能力の低下は、静かな個室で一つ一つの音を聞く通常の聴力検査では発見しづらく、異常なしと診断されるが、脳や神経が負担を受けているとみられるという。
岡本准教授は「周囲の雑音を減らす機能を使うなどし、音量は控えめに」と使用者に呼び掛けるとともに、雑音の中での検査の必要性も指摘した。
岡本准教授らは、20代の男女のうち、日常的に大音量で携帯音楽プレーヤーを使う13人と使わない13人を対象に、特定の周波数の音に対する脳の反応を調査。雑音が少ないと聴覚に違いはなかったが、雑音がある場合、常用者は脳の反応が鈍り、音を聞き分ける能力が弱まっていたという。
6.脂肪蓄積をイサダが抑制 機能性食品への利用期待
共同通信社2011年3月3日
脂肪の蓄積を抑制する作用が確認されたイサダ
養殖魚や釣りの餌として利用されるイサダに脂肪の蓄積を抑制する作用があることが、岩手県水産技術センター(釜石市)と県生物工学研究センター(北上市)、岩手医大の共同研究で分かった。イサダの食材利用を目指す県は「サプリメントなど機能性食品としての利用が進めば、沿岸部の振興につながる」と期待している。
研究は2009年度に開始。イサダの水溶性抽出物をマウスなどの培養細胞に加えたところ、脂肪細胞の形成に必要な遺伝子の発現が抑制された上、脂肪細胞が中性脂肪を蓄積するのを抑えられた。
マウスを使った摂食実験では、ラードなどを含む高脂肪食を18週間食べさせて体重変化を観察した結果、イサダを混ぜた餌を食べたマウスは体重増加が約10%抑えられたという。
県と岩手医大は1月、研究成果に関して共同で特許を出願した。研究グループは今後、脂肪蓄積を抑制する物質の特定や仕組みの解明に向けた研究を続け、機能性食品の開発を目指す。
岩手医大の佐塚泰之薬学部教授(創剤学)は「脂肪を燃焼させる作用は確認されていないが、少なくとも脂肪が増えるのを抑える効果はあった」と説明する。
県水産技術センターの上田智広主任専門研究員は「県内企業と連携してサプリメントなどへの活用を検討し、イサダの付加価値向上、単価のアップにつなげたい」と話している。
[イサダ]小エビに似たツノナシオキアミという甲殻類の一種。岩手県では国内総漁獲量の4割に当たる年間約2万トンが水揚げされ、ほとんどは餌として使われている。ビタミンやカルシウムなどの栄養素を多く含む。北里大海洋バイオテクノロジー釜石研究所は2009年、健康食品の有効成分の一つ「ギャバ」をイサダから生成することに成功した。
7.パーキンソン病未承認薬、アルツハイマーに効果
読売新聞社2011年3月3日
九州大の大八木保政准教授(神経内科学)らの研究グループは2日、アルツハイマー病のマウスに、パーキンソン病の治療薬「アポモルフィン」を投与した結果、記憶障害が回復したと発表した。大八木准教授は「アルツハイマー病の新たな治療法の開発につながる」と説明している。
発表によると、研究グループは遺伝子操作で発症させたマウスに、アポモルフィンを週に1回ずつ計5回、注射した。その結果、神経細胞の機能を低下させる脳内たんぱく質「アミロイドβ」が減少。マウスを泳がせる実験では、ゴールまでの到達時間が6~7秒短縮されるなど、記憶障害も回復したという。
実験結果は米国の神経学専門誌「アナルズ・オブ・ニューロロジー」電子版に掲載された。アポモルフィンは欧米などで市販されているが、吐き気といった副作用があり、国内では未承認。研究グループは今後、患者への臨床試験を進めるとともに、副作用を軽減した新薬開発を目指す。
8.花粉症、気管支ぜんそく 原因物質作る仕組み解明
共同通信社2011年3月3日
理化学研究所放射光科学総合研究センター(兵庫県佐用町)は2日、ヒトの体内で花粉症や気管支ぜんそくの原因物質ができる仕組みについて、同町の大型放射光施設「スプリング8」を使って解明した、と発表した。鼻や気管支の粘膜などの細胞内にある二つのアミノ酸が原因物資を作っているといい、これらのアミノ酸の働きを抑えることで副作用が少ない薬の開発につながるという。
研究成果は近く、米科学誌「ザ・ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー」に掲載される。
花粉症や気管支ぜんそくは、鼻や気管支の粘膜などにあって免疫機能を担う「肥満細胞」が、「ロイコトリエン」という情報伝達物質を放出。周囲の細胞に結合して鼻水を誘い、気管支の収縮などを起こす原因の一つとされる。治療に、ロイコトリエンが他の細胞と結合するのを抑える薬などが使われるが、眠気や腹痛といった副作用が起きることもある。
同センターの吾郷日出夫専任研究員らと米ハーバード大の研究グループは、肥満細胞の中で膜タンパク質「ロイコトリエンC4合成酵素」を構成する150個のアミノ酸の働きについて、スプリング8で解析した。
その結果、ロイコトリエンが作られている部位に、二つのアミノ酸があることを確認。いずれも「アルギニン」と呼ばれ、脂肪酸などを結合させ、ロイコトリエンを作ることを突き止めた。
吾郷専任研究員は「ロイコトリエンが作られている部位や仕組みにだけ効果がある薬を作れば、他のタンパク質などに影響が出ず、副作用が少なくなる」としている。
9.【厚労省】新薬13成分を薬価収載‐アルツハイマーで2種類、初の経口抗凝固剤も登場
薬事日報社2011年3月3日
十代の妊娠中の鬱病
厚生労働省は11日付で、新薬13成分31品目を薬価収載する。内訳は、内用薬8成分25品目、注射薬4成分5品目、外用薬1成分1品目。これまでアリセプトしかなかったアルツハイマー型認知症用薬に、メマリーとレミニールの2種類が加わるほか、直接トロンビン阻害作用を有する、初の経口抗凝固薬となるプラザキサが登場する。2日の中央社会保険医療協議会で了承した。
▽メマリー錠5mg、同10mg、同20mg(第一三共)=有効成分はメマンチン塩酸塩で、中等度・高度アルツハイマー型認知症の進行抑制を効能・効果とする。類似薬効比較方式mgで算定し、補正加算は付かなかった。
市場規模予測は初年度8000人の5000万円、ピーク時の10年目が40万人の471億円。
▽レミニール錠4mg、同錠8mg、同錠12mg、同OD錠4mg、同8mg、同12mg、同内用液4mg/mL(ヤンセンファーマ)=有効成分はガランタミン臭化水素酸塩で、軽度・中等度アルツハイマー型認知症の進行抑制を効能・効果とする。類似薬効比較方式Iで算定し、補正加算は付かなかった。外国平均価格調整により薬価を引き上げた。
市場規模予測は初年度2万6000人の30億3000万円、ピーク時の9年目が28万1000人の328億円。
▽エディロールカプセル0・5μg、同0・75μg(中外製薬)=有効成分はエルデカルシトールで、骨粗鬆症を効能・効果とする。
類似薬効比較方式mgで算定し、国内臨床試験で既存薬に対する、非外傷性新規推体骨折予防効果の優越性が示されたことを評価し、有用性加算IIを適用した。
企業は、前腕骨骨折頻度の発生頻度を減少させるほか、ビスホスホネート(BP)系薬剤に伴う顎骨壊死の副作用リスクや、服薬制限によって、治療機会が失われる患者に、新たな選択肢をもたらすこと、骨代謝とカルシウム代謝の改善効果を合わせ持つため、BP系薬剤と活性型ビタミンD3製剤の併用を代替できるなどを理由に、加算率15%を希望した。しかし、エビデンス不足で10%の上乗せにとどまった。
市場規模予測は初年度35万人の88億円、ピーク時の10年目が142万人の357億円。
▽プラザキサカプセル75mg、同110mg(日本ベーリンガーインゲルハイム)=有効成分はダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩で、非弁膜症性心房細動患者の虚血性脳卒中と、全身性塞栓症の発症抑制を効能・効果とする。原価計算方式で算定し、初の経口直接トロンビン阻害剤で、血液凝固能のモニタリングが不要になるなど、ワルファリンと比べて有用性が高いことを評価し、営業利益率に20%を上乗せした。 市場規模予測は初年度4000人の6億円、ピーク時の10年目が21万8000人の340億円。
▽フェブリク錠10mg、同20mg、同40mg(帝人ファーマ)=有効成分はフェブキソスタットで、痛風、高尿酸血症を効能・効果とする。
原価計算方式で算定し、既存薬のアロプリノールの場合には、腎機能障害のある患者で減量を考慮する必要があったが、中等度までの腎機能低下患者に、用量調節せずに投与できることを評価し、営業利益率に10%を上乗せした。
市場規模予測は初年度5万人の14億円、ピーク時の10年目が71万5000人の198億円。
▽シュアポスト錠0・25mg、同0・5mg(大日本住友製薬)=有効成分はレパグリニドで、食事療法や運動療法、α‐グルコシダーゼ阻害剤で効果不十分な2型糖尿病の、食後血糖推移の改善を効能・効果とする。類似薬効比較方式Iで算定し、国内治験で既存薬に比べて、HbA1cの変化量に有意な改善を示したことを評価し、有効性加算IIで5%の加算を付けた。
市場規模予測は初年度1万人の2億円、ピーク時の5年目が12万人の49億円。
▽ソニアス配合錠LD、同HD(武田薬品工業)=有効成分はピオグリタゾン塩酸塩とグリメピリドで、2型糖尿病を効能・効果とする。
類似薬効比較方式Iの内用配合剤の特例を適用し、ピオグリタゾンの単剤である同社のアクトスの0・8倍の価格と、グリメピリドの後発品の最低価格の合計で算定したところ、アクトスの薬価を下回ったため、アクトス単剤と同額となった。
市場規模予測は初年度11万人の4億円で、ピーク時の6年目が35万人の131億円。
原価計算は5成分に適用
▽アクレフ口腔粘膜吸収剤200μg、同400μg、同600μg、同800μg(田辺三菱製薬)=有効成分はフェンタニルクエン酸塩で、強オピオイド鎮痛剤を定時投与中の癌患者における突出痛の鎮痛を効能・効果とする。原価計算方式で算定し、営業利益率の上乗せはなかった。
市場規模予測は初年度1万人の5億円、ピーク時の4年目が5万人の26億円。
▽アリクストラ皮下注5mg、同7・5mg(グラクソ・スミスクライン)=有効成分はフォンダパリヌクスナトリウムで、急性肺血栓塞栓症と急性深部静脈血栓症の治療を効能・効果とする。静脈血栓症の発症抑制の適応を持つ、同製品の別規格との規格間調整で算定した。
市場規模予測は初年度3560人の1億1000万円、ピーク時の10年目が1万9200人の5億7000万円。
▽ロミプレート皮下注250μg調製用(協和発酵キリン)=有効成分はロミプロスチム(遺伝子組み換え)で、慢性特発性血小板減少性紫斑病を効能・効果とする。原価計算方式で算定し、営業利益率の上乗せはなかった。
市場規模予測は初年度200人の6億円、ピーク時の5年目が900人の32億円。
▽ステラーラ皮下注45mgシリンジ(ヤンセンファーマ)=有効成分はウステキヌマブ(遺伝子組み換え)で、既存治療で効果不十分な尋常性乾癬と関節症性乾癬を効能・効果とする。類似薬効比較方式Iで算定し、補正加算は付かなかった。
市場規模予測は初年度100人の2億4000万円、ピーク時の8年目が6000人の133億円。
▽ビダーザ注射用100mg(日本新薬)=有効成分はアザシチジンで、骨髄異形成症候群を効能・効果とする。原価計算方式で算定し、営業利益率に20%を上乗せした。海外治験で通常治療群と比較し、有意な生存期間の延長が認められ、国内治験で血液学的改善効果が認められ、国内外のガイドラインが高リスク患者の第一選択薬、低リスク患者の第一、二選択薬に位置づける有効性の高い国内初の医薬品であることを評価した。
市場規模予測は初年度100人の5000万円、ピーク時の6年目1900人の52億円。
▽オルベスコ100μgインヘラー56吸入用(帝人ファーマ)=有効成分はシクレソニドで、気管支喘息を効能・効果とする。小児用量の追加に伴う保険適用で、同製品の別規格との規格間調整で算定し、小児加算10%が付いた。
市場規模予測は初年度7000人の1億円、ピーク時の10年目が5万3000人の8億円。
ソニアス、処方制限から除外
また同日の中医協では、2型糖尿病治療の新たな内用配合剤のソニアスを、新薬の14日処方制限の対象から除外することや、薬価が高額な乾癬治療薬のステラーラについて、DPCの包括評価から同剤使用患者を外すことも決めた。
10.インドネシアで新たに鳥インフルエンザH5N1のヒト感染例
日経メディカル2011年3月3日
図1 H5N1鳥インフルエンザのヒト感染例(WHOのデータより作成)
WHOは3月2日、インドネシアで、新たに鳥インフルエンザH5N1のヒト感染例が確認されたと発表した。
患者は26歳女性(Karawang District在住)で、1月30日に症状が現れた。2月3日に入院しタミフルによる治療を受けたが、同月8日に死亡した。目の前で生きた家禽を処理するという伝統的な市場で家禽の肉を購入したことが分かっており、その際に感染した可能性が示唆されている。
これで、インドネシアでは2005年以降、172例の確認例となった。うち142例が死亡している(致死率82.6%)。2011年に入ってからは1例目。世界全体では526例(うち死亡311例)で、2011年に入ってからは10例目(うち死亡5人)となった(図1)。
気になる致死率だが、世界全体の累積致死率は59.1%と依然高い水準にある。インドネシアやカンボジアでは80%を超えている。その一方で、エジプトでは30%台で推移しており、全体を引き下げている。致死率の違いは各国の医療事情を反映していると考えられるが、ウイルス自体の変化の可能性もありうることから、今後も注視していく必要がある。
11.カンボジア、エジプトで鳥インフルエンザH5N1のヒト感染例を確認
日経メディカル2011年3月3日
WHOによると2月25日と28日に、カンボジアとエジプトで新たに鳥インフルエンザH5N1のヒト感染例が確認された。2011年に入ってから確認されているのはこの2カ国だけで、カンボジアでは3例、エジプトでは6例となった。
25日のWHO発表によると、カンボジアで19歳女性とその息子(11カ月)が鳥インフルエンザに感染していたことが確認された。19歳女性はTakong village在住で、2月5日に症状が現れ、9日に近隣の診療所に入院した。12日に病院へ転院したが、同日に死亡した。
この女性は夫と11カ月の息子、さらに自分の母親や姉らとともに、Rokar Chor villageへ旅行していた。その間、1月後半から2月初頭までに病気または死んだ家禽との接触歴があったという。入院中に採取された血液検体を検査したところ、2月22日にH5N1の感染が確認された。
息子の方も2月5日に症状が現れ、15日に入院したが17日に死亡した。母親と同様、病気または死んだ家禽との接触歴があった。2月20日に国立インフルエンザセンターにおいて、H5N1の感染が確認された。
カンボジアの衛生当局によると、現在のところ2例以外に感染例は確認されていない。WHOの集計によると、カンボジアでは2005年以降感染が確認された症例は13例となった。うち死亡は11例に上っている。2011年に入ってからは3例(うち死亡3例)となった。
一方、2月28日のWHO発表によると、エジプトで3例のH5N1感染例が確認された。26歳女性(Dakahlia Governorate)、45歳男性(Menofia Governorate)、4歳男児(Damiata Governorate)の3人。26歳女性は1月18日に症状が現れ同月23日に入院。その後回復し、2月7日には退院している。45歳男性は、1月20日に発症し同月26日に入院。2月5日に死亡した。4歳男児は、2月14日に症状が現れ、同月16日に入院、症状は安定しているという。
3例とも鳥インフルエンザが疑われる家禽との接触があったことが示唆されている。エジプトでは125例となり、うち41例が死亡している。エジプトの致死率は32.8%とカンボジアの84.6%とは大きく異なっている。なお、エジプトでは2011年に入ってからは6例(うち死亡1例)となっている。
12.認知症末期患者への人工栄養・水分補給、9割の医師が「導入判断難しい」
2010年度老人保健健康増進等事業シンポジウム
日経メディカル2011年3月3日
認知症末期患者に対する人工的な栄養・水分補給(artificial nutrition and hydration:ANH)の導入にかかわったことがある医師のうち約9割が、患者や家族と共に導入の適否を判断する上で何らかの困難を感じていたことが分かった。
2月27日に開催された2010年度老人保健健康増進等事業シンポジウム(主催:日本老年医学会)において、東大グローバルCOE「死生学の展開と組織化」特任研究員の会田薫子氏が、経口摂取困難となった認知症末期患者に対するANH施行の実態や、医師が抱いている問題意識を明らかにすることなどを目的とした医師調査の結果を報告。それによると、68%がANH導入に関する意思決定にかかわったことがあり、そのうち16%が方針決定の際に「非常に大きな困難を感じた」、46%が「ある程度の困難を感じた」、27%が「少し困った」と回答した。「困難を感じなかった」とした医師は6% にとどまった(図1)。
困難の内容(複数回答)としては、「本人意思が不明」(73%)、「経口摂取継続に伴う危険(肺炎・窒息)」(61%)、「家族の意思が不統一(56%)」が上位に挙がった。一方、「ANH差し控えに関する倫理的問題」(51%)、「ANHを行うことに関する倫理的問題」(33%)に対して悩んだとする医師も多く、認知症末期患者に対するANH導入の是非やタイミングについて、医師の間でもコンセンサスが得られていない現状が浮き彫りになった。
調査は昨年10~11月に日本老年医学会の医師会員4506人を対象に行われ、有効回答数は1554人。勤務先の内訳は、一般病院32%、大学病院18%、診療所17%、療養型医療施設10%などだった。「認知症末期患者」は、「認知症が進行し、意思疎通困難、寝たきり、摂食嚥下困難であり、可能な最善の治療によっても病状の好転や進行の阻止が期待できなくなり、死に至るプロセスを考慮に入れて臨床上の意思決定を行う状態」と定義。ANHは、静脈栄養法と経腸栄養法のすべてを含むものとした。
「ANHの中止経験あり」は約4割
また、調査では、ANH導入の意思決定にかかわったことがある医師のうち、いったん導入したANHを中止した経験があると回答した医師は44%に上った(図2)。
中止理由(複数回答)としては「下痢や肺炎などの医学的理由」(68%)が最も多かったが、43%は、「患者家族がANHの中止を強く望んだ」という医学的ではない理由を挙げた。一方、中止経験の有無にかかわらず、いったん導入したANHを中止することに対して「マスコミが騒ぐ」「法的に問題がある」「倫理的に問題がある」などといった懸念や葛藤を抱いている医師は、それぞれ回答者全体の2~3割に上った。
首や肩の痛みを緩和する
このほか、経口摂取が困難になった認知症末期患者のモデルケース(右表)を提示し、その患者に対して「現在行っている末梢点滴の継続」「胃ろう造設」「経鼻経管への切り替え」「全てのANHの差し控え」のうちどのような対応を選択するかを尋ねた設問では、「胃ろう造設」が21%、「経鼻経管」が13%、「全て差し控え」が10%にとどまった一方、「末梢点滴を継続した上で自然な経過を見る」とした医師が51%を占めた。さらに、このモデルケースに対して、「全てのANHを差し控えることは患者を餓死させることと同じだと思う」とした医師は、「そう思う」「どちらかといえばそう思う」を合わせると約4割に上った。
この結果を受けて会田氏は、「国内外の医学文献によると、苦痛の少ない最期のためにはANHは不要であり、ANHの差し控えや中止は倫理的に妥当であるとされている。その一方で、モデルケースに対し多くの医師が『末梢点滴の継続』を選んだ背景には、"何もしないで看取るのは患者家族や医療・介護スタッフの心が痛むから"という、日本固有の倫理観がある」と考察。「患者本人の利益よりも、家族や医療スタッフの心理的負担の軽減が目的とされている現状について、もっと考えていかなければならない」と訴えた。
13.糖尿病治療薬の選択 安易なクラス内の切り替えは最適な治療オプションにならず
Elsevier2011年3月3日
糖尿病治療について、薬剤の選択に関するディスカッションが、2月8日の「JAMA」に掲載された。最近、ロシグリタゾンを使用していた患者の多くが、心血管リスクへの懸念から、ピオグリタゾンなどの別のチアゾリジンジオン系薬剤(TZD)に切り替えているが、治療方針に関する決定は、常に治療効果とリスクを比較検討すべきであり、ロシグリタゾンより若干安全だからといって、安易に同じ薬剤クラス内で切り替えることが最適な治療オプションとは限らない、という議論である。
グルコース低下薬による糖尿病の治療は、有害事象を引き起こすことなく合併症を予防することに注力されるが、併存疾患や余命などの臨床的要素と患者個人の価値観といった背景において、これらのリスクとベネフィットのバランスは、個々の薬剤の安全性と有効性に依存する。現在、グルコース低下薬の長期的転帰に関して、ある特定のクラスを他のクラスより選択すべきとする、臨床試験の十分なエビデンスはない。一般的な想定では、どの薬剤を選択しても、主要心血管イベントなどの合併症リスクが低下するのは、どの程度グルコース値を低下させるかによるとされるが、最近のロシグリタゾンでの経験が、そうではないことを物語っている。その結果、米食品医薬品局(FDA)は、糖尿病治療薬の認可に際し、心血管転帰に関� �るデータを要求するようになった。
殆どのグルコース低下薬において、長期的臨床転帰に関するデータが依然欠落しているため、米糖尿病協会(ADA)と欧州糖尿病学会(EASD)の合意文章では、グルコース低下効果や安全性、忍容性、費用といった代理転帰に基づき治療を推奨している。これらを比較総合すると、メトフォルミンが有利であることから、ライフスタイルの改善とともに、糖尿病治療のファーストラインはメトホルミンが推奨されている。
メトホルミンは安全で、且つ忍容性も高く、低血糖や体重増を引き起こすことなく血糖値を効果的に低下させる。そればかりかイギリスの前向き研究では、小規模のサブグループにおいてメトホルミンによる心血管リスクの削減も示唆されている。合意文章では、メトホルミンが禁忌、またはメトホルミンでは血糖コントロールが達成できない場合のセカンドラインとして、インスリンかスルホニル尿素を推奨している。スルホニル尿素はグルコース低下においてメトホルミンと同等の効果を示し、インスリンはより厳密に血糖管理するために利用することが出来る。だが、両剤には体重増加や低血糖といった有害事象のリスクが伴う。
チアゾリジンジオン系薬剤(TZD)は、その有害事象プロファイルから、糖尿病治療の中核としては推奨されていない。ロシグリタゾンとピオグリタゾンは両剤とも、体重増加と下肢の浮腫のリスクが著しく増加し、女性では骨量減少の加速や骨折に関連することがわかっている。さらにどちらも、心不全と関連有害事象のリスク増加が多数の試験で確認されたことから、FDAのブラックボックス警告が義務付けられている。最近のFDAによるメタ解析では、ピオグリタゾンが約1.5倍、ロシグリタゾンは約2倍のリスクを伴うことが示された。
これらの懸念にも関わらず、TZDの利用は急増し、米国では2005年までに2型糖尿病に対する処方(推定約1120万枚)の34%を占めるようになった。その後、安全性への懸念が高まり、ロシグリタゾンの利用が減少したが、2007年に同薬剤クラス全体において、鬱血性心不全に対するFDAのブラックボックス警告が追加された後でも、ピオグリタゾンの利用はほとんど変化がなく、2008年から2009年にかけて、推定580万枚の処方箋が処理されている。2007年の1年間の薬剤費用は、後発薬の選択があるメトフォルミンが推定25億ドルだったのに対し、TZDは42億ドルに上っている。
糖尿病患者の増加と治療コストの上昇を考慮すると、グルコース低下薬とその効能に関して、相対的有効性を検討するより多くのデータが必要である。炎症への効果や脂質プロファイル、その他の代理転帰は、作用機序に関する本質を提供するかも知れないが、治療を決定する要素として利用されるべきではない。理想的には、医師と患者が決定的なエビデンスを元に、薬剤の選択をすべきなのである。
同じ薬剤クラス内で処方薬を切り替えるのが、より一般的となっており、ロシグリタゾンからピオグリタゾンへの切り替えは、心筋梗塞のリスクを上昇させない類似薬の選択という意味において、患者と医師双方にとって、簡単で単純、適切と見て取れるかも知れない。しかしロシグリタゾンの代わりを処方する際、医師は短絡的に同クラスの代替であるピオグリタゾンを選択するのではなく、全てのオプションに関するリスクとベネフィットのバランスを考慮すべきである。どちらのTZDも安全性や忍容性、またコストについて、メトフォルミンと対等ではない。この薬剤クラス以外の治療薬を検討すべき時なのである。
14.最新DI:【新薬】エルデカルシトール
エディロール:骨折予防効果を高めたビタミンD3製剤
日経メディカル2011年3月3日
北村 正樹=慈恵医大病院薬剤部
2011年1月21日、骨粗鬆症治療薬のエルデカルシトール(商品名エディロールカプセル0.5μg、同カプセル0.75μg)が製造承認を取得した。用法・用量は、「1日1回0.75μg経口投与する。また、症状により適宜1日1回0.5μgに減量」となっている。
骨粗鬆症は、「骨強度の低下を特徴として、骨折のリスクが増大しやすくなる骨格疾患」と定義されており、日本国内では約1200万人が罹患していると推定されている。
治療では、ビスホスホネート製剤、選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)、ビタミンD3誘導体などが使用されている。このうち、骨折予防効果のエビデンスが十分に集積されているビスホスホネート製剤とSERMは、2006年に発行された『骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン』で総合評価がグレードA(推奨の強さ:行うよう強く勧められる)なのに対し、アルファカルシドール(商品名ワンアルファ、アルファロール他)をはじめとするビタミンD3誘導体は、グレードB(推奨の強さ:行うよう勧められる)と位置付けられている。
今回、承認されたエルデカルシトールは活性型ビタミンD3誘導体であり、既存の活性型ビタミンD3製剤に比べて骨に対する作用を高めた薬剤とされる。具体的には、アルファカルシドールを対照とした第3相臨床試験(無作為二重盲検並行群間比較試験)で、エルデカルシトール投与群がアルファカルシドール投与群に比べて、3年間の新規錐体骨折の発生頻度が統計学的に有意に低かったことが報告されている。さらに、重症の被験者では骨折抑制効果がより顕著であり、一般には骨折抑制効果が現れにくい前腕骨でも骨折発現率が有意に低いことが確認されている。また、安全性についても対照薬であるアルファカルシドールと同等であり、新たな副作用は確認されていない。
今回承認されたエルデカルシトールは、このように骨折予防効果が既存の活性型ビタミンD3誘導体に比べて高いというエビデンスが得られていることから、今後は『ガイドライン』でも評価が高まるものと推測される。
ただし、使用に際しては、承認時までの臨床試験で38.5%に副作用が認められていることに十分注意する必要がある。主なものは、尿中カルシウム増加(20.3%)、血中カルシウム増加(15.0%)、血中尿酸増加(高尿酸血症を含む)(1.9%)、高カルシウム血症(1.5%)などであり、重大な副作用としては、高カルシウム血症、急性腎不全、尿路結石が報告されている。
15.PPI併用はアレンドロネートの効果を損なう
年齢依存的、用量依存的に股関節骨折予防効果が減弱(Arch Intern Med誌から)
日経メディカル2011年3月3日
プロトンポンプ阻害薬(PPI)は高齢の患者に広く投与されており、経口ビスホスホネート薬使用者も例外ではない。デンマークCopenhagen大学病院のBo Abrahamsen氏らは、国家レベルの医療記録を利用したコホート研究で、PPIの併用が用量依存的にアレンドロネートの効果を損なうことを明らかにした。H2ブロッカー(ヒスタミンH2受容体拮抗薬)にはそうした影響は見られなかったため、上部消化管症状を訴える患者にはこちらを選択すべきと考えられた。論文は、Arch Intern Med誌電子版に2011年2月14日に掲載された。
PPIは、カルシウム、ビタミンB12やビスホスホネートの吸収に影響を及ぼす可能性がある。PPI自体が長期使用により骨粗鬆症性骨折リスクを上昇させるとの報告もある。著者らは、PPIとビスホスホネート製剤を併用する高齢者が少なくないことから、PPI併用の股関節骨折への影響を調べることにした。
デンマークの国家的な医療記録を利用したこの集団ベースのコホート研究は、35歳以上で、1996年1月1日から2005年12月31日までにアレンドロネートの使用を開始した人々のうち、それまでに骨粗鬆症治療薬の処方歴がない3万8088人(男性6431人、女性3万1657人、平均年齢70.4歳)を平均3.5年追跡した。
薬局の調剤記録に基づいて、個々の患者のアレンドロネート処方開始から36カ月の間のPPI処方の有無、1日用量などを明らかにした。
主要アウトカム評価指標は股関節骨折(大腿骨頸部骨折または転子部骨折)、2次評価指標は、脊椎、前腕、上腕の骨折とした。
PPIの併用を経験していた患者は1万177人、PPI併用なしは2万7911人だった。アレンドロネートとの併用されることが多かったPPIはエソメプラゾールとオメプラゾールだった。
股関節骨折は2071人、脊椎、前腕、上腕の骨折は1110人に発生していた。
股関節骨折のリスクは、PPI使用により有意に上昇していた。アレンドロネートの処方箋がすべて調剤されていた、コンプライアンスが非常によい患者の集団を想定し、Cox比例ハザードモデルを用いてPPI併用がなかった人々の骨折リスクを推定すると、ハザード比は0.61(95%信頼区間0.52-0.71、P<0.001)となった。一方、PPI併用者では骨折リスクの低下は有意にならなかった(ハザード比0.81、0.64-1.01、P=0.06)。
患者を年齢に基づいて層別化したところ、PPI併用による股関節骨折予防効果の縮小は70歳以上の集団にのみ認められた。PPI併用者の骨折のハザード比は、70歳未満では0.42(0.26-0.69)、70歳以上は0.96(0.74-1.24)。
股関節骨折リスク低減割合の縮小はPPIの累積用量に依存していた。PPIの累積用量は、WHOのATC/DDD(1日規定用量)システムを用いて推定した。累積用量が1~359 DDDsの場合には、コンプライアンスが非常に良好な患者におけるアレンドロネートの効果に有意な影響は見られなかった(ハザード比0.63、0.55-0.72)。しかし、360~719 DDDsのPPIを投与された患者では、ハザード比は1.00(0.70-1.45)でリスク低下を示さず、さらに720 DDDs以上のPPIを投与された患者ではハザード比は1.24(0.71-2.18)とリスク上昇傾向を示した。
脊椎、前腕、上腕の骨折リスクとPPI使用の間に有意な関係は見られなかった。また、H2ブロッカーの併用は、アレンドロネートの効果に影響を及ぼしていなかった。
高齢者では、PPIの併用は、年齢依存的、用量依存的にアレンドロネートの股関節骨折予防効果を減弱させていた。観察研究の結果ではあるが、アレンドロネートを使用している患者が上部消化管症状を訴えた場合に、PPIの処方は推奨できないこと、代わりにH2ブロッカーを用いればアレンドロネートの効果は損なわれないことが示された。
原題は「Proton Pump Inhibitor Use and the Antifracture Efficacy of Alendronate」
16.ビスマス製剤含む4剤併用がCAM耐性ピロリに高い有効性
Lancet誌から
日経メディカル2011年3月3日
ベクロニウムと高血圧や頻脈
近年、ヘリコバクター・ピロリ(H. pylori)の抗菌薬耐性獲得に対する懸念が高まっており、新たな除菌レジメンが求められている。独Otto-von-Guericke大学のPeter Malfertheiner氏らは、H. pyloriに対する、次クエン酸ビスマスを含む新たな4剤併用レジメンの安全性と有効性を、標準的な除菌レジメンと比較するフェーズ3試験を行い、新レジメンの有用性を示した。クラリスロマイシン(CAM)耐性患者における除菌率も新レジメンで高かった。論文は、Lancet誌電子版に2011年2月22日に掲載された。
このオープンラベルの無作為化非劣性試験は、フランス、ドイツ、アイルランド、イタリア、ポーランド、スペイン、英国の39施設で、08年6月11日から09年6月22日まで実施された。上部消化管症状があり、H. pylori感染が確認された成人440人を登録し、無作為に、4剤併用(新レジメン)を10日間または3剤併用(標準レジメン)を7日間に割り付けた。
4剤併用は、次クエン酸ビスマス140mg+メトロニダゾール125mg+テトラサイクリン125mgの3剤を1つのカプセルに詰めたもの3個を1日4回(毎食後と就寝前)、250mLの水と共に服用し、さらに朝と夕の2回はオメプラゾールの20mgカプセル1錠も同時服用するとした。
3剤併用は、クラリスロマイシン500mg+アモキシシリン500mg+オメプラゾール20mgを朝夕食前に1日2回服用するとした。
主要アウトカム評価指標は、H. pylori除菌率に設定。治療終了後28日目以降と56日目以降に13C尿素呼気テストを行い、2回とも陰性だったケースを除菌成功と判断した。非劣性の検証はper-protocol集団を対象に行い、引き続いてintention-to-treat集団を対象に優越性を評価した。
治療終了まで追跡できたのは、4剤併用群218人、3剤併用群222人(intention-to-treat集団)、割り付けられた治療を受けていたのは178人と161人(per-protocol集団)。
Per-protocol分析における除菌成功は、4剤群が178人中166人で93%(95%信頼区間88.5%-96.5%)、3剤群が161人中112人で70%(61.8%-76.6%)だった。群間差の95%信頼区間は15.1%-32.3%(P<0.0001)となり、信頼区間の下限があらかじめ設定されたマージンである-10%を下回らなかったことから非劣性が確認された。
Intention-to-treat集団の440人では、4剤併用群の除菌率は80%(218人中174人)、3剤併用群では55%(222人中123人)で両群間の差は有意だった(P<0.0001)。
ベースラインの薬剤感受性と各レジメンの除菌率の関係を調べた。クラリスロマイシン耐性は最小発育阻止濃度(MIC)が1.00μg/mL以上と定義し、メトロニダゾール耐性はMICが8μg/mL超とした。
メトロニダゾール耐性だった患者の割合は、4剤群が29%、3剤群が31%で両群間に差なし(P=0.695)。これらの患者における除菌率は、4剤群が91%(77.4%-97.3%)、3剤群では68%(51.9%-81.9%)だった。
一方、クラリスロマイシン耐性患者は4剤群の23%、3剤群の19%で同等(P=0.464)だった。これら患者の除菌率は、4剤群が91%(75.7%-98.1%)、3剤群が8%(1.0%-26.0%)だった。
メトロニダゾールとクラリスロマイシンの両方に耐性を示した患者は、4剤群の8%、3剤群の7.6%で、これら患者の除菌率は4剤群が92%、3剤群は20%だった。
安全性のプロファイルは同様だった。重症有害事象と有害事象による治療中止の発生率に差はなかった。主な有害事象は消化器症状(消化不良や下痢など)と中枢神経系症状(味覚異常、頭痛など)だった。
4剤併用の安全性と忍容性は標準的な3剤併用と同等で、除菌率は3剤併用より有意に高かった。著者らは、クラリスロマイシン耐性H. pylori感染が多い地域では、この4剤併用レジメンを第1選択にすべきだと述べている。
原題は「Helicobacter pylori eradication with a capsule containing bismuth subcitrate potassium, metronidazole, and tetracycline given with omeprazole versus clarithromycin-based triple therapy: a randomised, open-label, non-inferiority, phase 3 trial」
17.埋め込み型無線血行動態モニタリング、心不全患者の入院率を大幅低減
CareNet2011年3月3日
心不全患者では、埋め込み型の無線血行動態モニタリングシステムによる肺動脈圧のモニタリングにより入院率が大幅に改善され、安全性も高いことが、米国・オハイオ州立大学心臓血管センターのWilliam T Abraham氏らの検討で明らかとなった。過去30年間、最新の治療法によっても心不全による入院率はほとんど改善されておらず、アメリカでは心不全患者の退院数は1996年の87万7,000例から2006年には110万6,000例に増加している。一方、埋め込み型血行動態モニタリングシステムは心不全患者の入院率を低減するとの仮説を支持する研究結果があるという。Lancet誌2011年2月19日号(オンライン版2011年2月10日号)掲載の報告。
W-IHM装着の心不全関連入院率を評価
研究グループは、埋め込み型無線血行動態モニタリングシステムの導入は心不全患者の入院率を低減するとの仮説を検証するために、単盲検無作為化対照比較試験を実施した。
アメリカの64施設から、NYHAクラスIII心不全、左室駆出率(LVEF)は不問、心不全による入院歴ありの患者が登録された。これらの患者が、6ヵ月以上の期間、埋め込み型の無線血行動態モニタリング(W-IHM)システムによる管理を受ける群あるいは対照群に無作為に割り付けられた。
患者には割り付け情報が知らされなかった。対照群では標準治療のみが施行されたのに対し、W-IHM群は標準治療に加えW-IHMで毎日の肺動脈圧測定が行われた。
主要評価項目は、6ヵ月の時点における心不全による入院率とした。安全性に関するエンドポイントとして、6ヵ月時点でのデバイス/システム関連合併症(DSRC)および圧センサーの故障の評価を行った。
6ヵ月後の入院率:W-IHM群31%、対照群44%
550例が登録され、W-IHM群に270例、対照群には280例が無作為に割り付けられた。6ヵ月時点における心不全関連入院率はW-IHM群が31%(83/270例)と、対照群の44%(120/280例)に比べ有意に良好であった(ハザード比:0.70、95%信頼区間:0.60~0.84、p<0.0001)。
全フォローアップ期間[平均15カ月(SD 7)]を通じた心不全関連入院はW-IHM群が153例であり、対照群の253例に比べ有意に改善されていた(ハザード比:0.64、95%信頼区間:0.55~0.75、p<0.0001)。また、死亡や初回心不全関連入院のイベント数はW-IHM群が107例と、対照群の138例よりも有意に低かった(同:0.71、0.55~0.92、p=0.0086)。
DSRCは8例でみられた。無DSRC率は98.6%であり、これは事前に規定された判定基準値の80%に比べ有意に良好であった(p<0.0001)。圧センサーの故障はなく、無圧センサー故障率は100%であった(事前規定の判定基準値:90%、p<0.0001)。
著者は、「今回の結果はこれまでの知見をさらに拡大するものであり、NYHAクラスIII心不全患者では、W-IHMシステムによる管理で入院率が大幅に低減することが示された」と結論し、「肺動脈圧測定で得られた臨床徴候や症状の情報によって、心不全管理の改善が可能となる」と指摘する。
18.吸入コルチコステロイド連日投与、小児の軽症持続型喘息に有効:TREXA試験
CareNet2011年3月3日
小児の軽症持続型喘息の治療では、増悪の抑制効果は吸入コルチコステロイド(ICS)の連日投与が優れることが、米国・アリゾナ大学のFernando D Martinez氏らが実施したTREXA試験で示された。軽症持続型喘息の小児における症状のコントロールや増悪の抑制に望ましい治療法として、低用量ICS連用が推奨されているが、コントロール良好でも増悪する例が存在し、無症状の期間が長期に持続すれば服薬の遵守が極めて困難となる。1)コントロール良好例におけるICS連用の中止は増悪のリスクを増大させるか、2)レスキュー治療としてのICS/アルブテロール(別名サルブタモール:β2アドレナリン受容体刺激薬)併用とアルブテロール単独の増悪抑制効果が、ICS連用の有無で異なるかという課題は未解決だという。Lancet誌2011年2月19日号(オンライン版2011年2月15日号)掲載の報告。
4つの治療群を比較する2×2ファクトリアル・デザインのプラセボ対照無作為化試験
TREXA試験の研究グループは、小児の軽症持続型喘息に対するレスキュー治療としてのICS(ジプロピオン酸ベクロメタゾン)の有用性を評価する2×2ファクトリアル・デザインの二重盲検プラセボ対照無作為化試験を行った。
2007年1月~2009年5月までにアメリカの5施設から5~18歳の軽症持続型喘息の症例が登録され、4週間の導入期間の後、以下の4つの治療群に無作為に割り付けられ、44週間の治療が行われた。
1)併用群:ベクロメタゾン1日2回+ベクロメタゾン/アルブテロールによるレスキュー治療、2)ベクロメタゾン連用群:ベクロメタゾン1日2回+プラセボ/アルブテロールによるレスキュー治療、3)レスキューベクロメタゾン群:プラセボ1日2回+ベクロメタゾン/アルブテロールによるレスキュー治療、4)プラセボ群:プラセボ1日2回+プラセボ/アルブテロールによるレスキュー治療。
ベクロメタゾン治療は1パフ(40μg)を朝夕2回吸入し、レスキュー治療は症状が軽減するまでアルブテロール(180μg)2パフ当たりベクロメタゾン2パフとした。
主要評価項目は経口ステロイド薬を要する初回増悪までの期間、副次的評価項目はICSの副作用である成長障害の指標としての線形成長とし、intention-to-treat解析を行った。
増悪率、治療失敗率は連用群が最も低い
843例が登録され、事前に規定された判定基準に従って導入期間中に555例が除外された。残りの288例のうち、71例が併用群に、72例がベクロメタゾン連用群に、71例がレスキューベクロメタゾン群に、74例がプラセボ群に無作為に割り付けられた。
増悪率は、プラセボ群の49%(95%信頼区間:37~61)に比し、ベクロメタゾン連用群が28%(同:18~40、p=0.03)、併用群が31%(同:21~43、p=0.07)、レスキュー群は35%(同:24~47、p=0.07)といずれも低下しており、連用群では有意差を認めた。
治療失敗率は、プラセボ群の23%(95%信頼区間:14~43)に比べ、併用群は5.6%(同:1.6~14、p=0.012)、連用群は2.8%(同:0~10、p=0.009)、レスキュー群が8.5%(同:2~15、p=0.024)であり、いずれも有意に良好であった。
線形成長の平均値は、ベクロメタゾンを連用した併用群と連用群はプラセボ群に比べて1.1cm(SD 0.3)有意に低下した(p<0.0001)が、連用していないレスキュー群は0.3cm(SD 0.2)の低下でありプラセボ群と同等であった(p=0.26)。
重篤な有害事象は2例(連用群の1例でウイルス性髄膜炎、併用群の1例で気管支炎)にのみ認められた。
著者は、「軽症持続型喘息の小児にはアルブテロール単独によるレスキュー治療は行うべきではなく、増悪の予防に最も効果的な治療はICS連日投与である」と結論し、「レスキューとしてのICSをアルブテロールと併用する治療は、アルブテロール単独によるレスキュー治療に比べ増悪率が低い点で有効性が高く、コントロール良好な患児に対するステップダウン治療として有効な可能性がある。それゆえ、ICS連用は回避可能であり、それによる成長障害などの副作用も避けられると考えられる」と考察している。
19.Diabetics have higher risk of death from cancer
Reuters News2011年3月2日
Doctors know that diabetics have a higher than normal risk of dying of heart attacks or strokes, but new research on Wednesday showed that having diabetes also ups the risk of dying from many cancers and other diseases.
The findings shed light on the potential burden of disease that will build in the future as the number of cases of diabetes is predicted to rise dramatically in coming decades.
"These findings highlight even more the need to prevent diabetes and to understand it better," said Emanuele Di Angelantonio of Britain's Cambridge University, who worked on the study as part of an international collaboration.
"They show that diabetes is not only a cardiovascular risk factor, but is linked as well to other conditions."
The research, published in the New England Journal of Medicine (NEJM), collated and analyzed data from 97 previous studies involving more than 820,000 people worldwide.
It found that being a diabetic hiked the odds of dying from cancer by 25 percent, and also heightened the risk of death from infection, kidney and liver disease.
The risk of death was only higher in people with poorly controlled diabetes, however, as indicated by high blood sugar levels after a fast.
Among the biggest cancer risks for diabetics were liver and pancreatic cancer, colorectal or bowel cancer, and lung cancer.
Diabetes is reaching epidemic levels with an estimated 280 million people, or 6.4 percent of the world's population, suffering from it and numbers predicted to rise further as obesity rates also increase.
The United States Centers for Disease Control and Prevention says up to a third of U.S. adults could have diabetes by 2050 they continue to gain weight and shun exercise.
Another study published this week found that millions of people with diabetes are undiagnosed or poorly treated, raising their risk of early death from heart disease and of serious complications like blindness and chronic kidney disease.
The Cambridge-led study found that aside from cancer and vascular diseases such as stroke, diabetes was also associated with deaths from many other causes including renal disease, liver disease, chronic obstructive pulmonary disease, mental disorders, pneumonia, other infectious diseases.
"A 50-year-old with diabetes died, on average, six years earlier than a counterpart without diabetes," said Cambridge University's John Danesh, who also worked on the study.
The study did not look at why these death rates were higher among diabetics, so the researchers could not say whether diabetes link was simply a proxy for generally poorer health.
"Preventing diabetes becomes that much easier when we have a complete picture of the debilitating effect it has across the body and we know what steps to take to mitigate the damage," said Stephen Holgate of Britain's Medical Research Council, which part-funded the study.
SOURCE: bit.ly/g5guqz The New England Journal of Medicine, online March 2, 2011.
20.Tight Blood Sugar Control May Put Some Diabetics at Risk
Death risk higher in those with type 2 and heart disease striving for 'normal' glucose levels: study
HealthDay News2011年3月2日
Intensive blood sugar control doesn't benefit people with both type 2 diabetes and heart disease -- and it may harm them, researchers say.
Trying to maintain the blood sugar levels typical of people without diabetes can increase the risk of death for people with type 2 diabetes and heart disease by 19 percent, according to the latest analysis from the long-running ACCORD study.
"This study reports that at least over the five-year period of time, although there continued to be a reduction in the rate of [heart attack], a significant increase in mortality still exists," said the study's lead author, Dr. Hertzel C. Gerstein, the Population Research Health Institute Chair in Diabetes Research at McMaster University in Hamilton, Canada.
ACCORD stands for Action to Control Cardiovascular Risk in Diabetes. This study was designed to assess whether intensive blood sugar interventions to bring A1C levels to under 6 percent would benefit people with type 2 diabetes and heart disease. A1C is a long-term measure of blood sugar control, and the A1C level provides about two to three months of average blood sugar levels. A level of under 6 percent, which is considered normal or non-diabetic, can be difficult for someone with diabetes to achieve.
The people recruited for the ACCORD study were between 40 and 79 years old, and their A1C levels were above 7.5 percent at the start of the study. Study volunteers were randomly assigned to either intensive blood sugar control or to a standard diabetes program striving for levels of 7 percent to 7.9 percent.
The study began in 2001 and was halted in February 2008 when researchers realized that people in the intensive treatment group had an increased risk of dying. By then, the intensive treatment group had received 3.7 years of treatment aimed at lowering their A1C levels to below 6 percent. Achieving such tight blood sugar control often required numerous interventions, such as lifestyle changes along with medication, multiple medications or insulin therapy.
The analysis includes five years of data. For the intensive group, that meant an average of 3.7 years of intense treatment, followed by 1.3 years of standard therapy.
At the time the study was stopped, the intensive therapy group experienced a 21 percent reduction in the risk of heart attacks, but a 21 percent increase in the risk of all-cause mortality.
After five years, the researchers found that the risk of heart attacks was still decreased by 18 percent, but the increased risk of all-cause mortality also persisted. People in the intensive therapy group had a 19 percent increased risk of dying of any cause, according to the study, published March 3 in the New England Journal of Medicine.
Gerstein said many researchers have tried to tease out why intensive blood sugar control might up the risk of death, and so far, no one has succeeded. Causes that have been ruled out include low blood sugar levels (hypoglycemia) and the rapid change in blood sugar levels.
"This study really reminds us that we always need to be prudent. Even if we think something is the right thing to do, sometimes we may have findings that are unexpected," said Gerstein.
"This study confirms the results of the ACCORD trial over the full duration of the study," said Dr. Vivian Fonseca, president-elect of medicine and science for the American Diabetes Association.
"Overall, this means that the recommendations of the American Diabetes Association hold true. In general, people with diabetes should aim for an A1C goal of less than 7 percent, but clearly individualization is important. One size does not fit all," said Fonseca.
And, the findings suggest that people with type 2 diabetes and heart disease shouldn't attempt to achieve an A1C below 6 percent, the study authors said.
Gerstein and Fonseca noted that the ACCORD findings should not be generalized for everyone with diabetes. People with type 1 diabetes and those with type 2 diabetes and no history of heart disease were not included in this study.
"There is no reason to change current guidelines because of this study, and this study certainly doesn't support ignoring glucose control. We saw benefits in eye disease and many other outcomes with good control," said Gerstein.
More information
To learn more about the connection between diabetes, heart disease and stroke, go to the U.S. National Institute of Diabetes and Digestive and Kidney Diseases.
SOURCES: Hertzel C. Gerstein, M.D., Population Health Research Institute Chair in Diabetes Research, McMaster University, Hamilton, Ontario, Canada; Vivian Fonseca, M.D., president-elect, medicine and science, American Diabetes Association; March 3, 2011, New England Journal of Medicine
21.Diabetes Ups Death Risk Overall, Study Shows
Cancer, infectious diseases, even suicide, more common among diabetics
HealthDay News2011年3月2日
People with diabetes are 80 percent more likely to die prematurely than those without the disease -- and it's not just diabetes that's killing them.
Besides dying from vascular problems caused by diabetes, people with the blood sugar disease are also more likely to die prematurely from many other causes, including cancer, infections, falls, liver disease, mental disorders and even suicide, a new British analysis finds.
"This study confirms that diabetes is associated with higher mortality," said Dr. Camillo Ricordi, director of the Cell Transplant Center and Diabetes Research Institute at the University of Miami Miller School of Medicine. "There is a general attitude that diabetes is a treatable disease, that's it's no big deal, that you just take medicine and you have a normal life. Instead, you have a 2.5 increased rate of death."
The report is published in the March 3 issue of the New England Journal of Medicine.
For the study, a team lead by John Danesh, a professor of epidemiology and medicine at the University of Cambridge, analyzed deaths among 820,900 people who took part in 97 studies. Among those in these studies, 123,205 died.
In this method, called a meta-analysis, researchers look for patterns in data from a number of studies that confirm a hypothesis.
Danesh's team found that people with diabetes were 80 percent more likely to die prematurely than those without diabetes. Moreover, they were 25 percent more likely to die from cancer, with scientists finding a moderate association between the disease and death from liver cancer, pancreatic cancer, ovarian cancer, colorectal cancer, and lung, bladder or breast cancer.
The risk of dying from vascular disease, not surprisingly, was much higher in people with diabetes. But people with diabetes were also at increased risk for death from liver and kidney disease, pneumonia, other infectious diseases and chronic obstructive pulmonary disease, among other ills.
In addition, diabetics were 64 percent more likely to die from mental disorders and 58 percent more likely to die from suicide, mostly because they were more likely to be depressed. They were also 70 percent more likely to die from falls than people without diabetes, the researchers found.
The risk of premature death was closely associated with blood sugar levels, with an excess risk of death at blood glucose fasting levels exceeding 100 milligrams per deciliter. There was no excess risk of death at fasting levels of 70 to 100 mg per dL, the researchers found.
"In addition to vascular disease, diabetes is associated with substantial premature death from several cancers, infectious diseases, external causes, intentional self-harm and degenerative disorders, independent of major risk factors," the study authors wrote. "These findings highlight the need to better understand and prevent the multi-system consequences of diabetes."
Ricordi said that although all the reasons that result in the greater risk of death among diabetics aren't known, high blood sugar and inflammation are key players. These can decrease the body's ability to fight off infections and even cancer, he said.
"We have to continue to find a cure and to prevent diabetes," he said. "We cannot think it can just be managed with drugs."
More information
For more on diabetes, visit the U.S. National Library of Medicine.
SOURCES: Camillo Ricordi, M.D., distinguished professor and director, Cell Transplant Center and Diabetes Research Institute, University of Miami Miller School of Medicine; March 3, 2011, New England Journal of Medicine
22.Heart Failure Patients Don't Need Continuous Infusion of Diuretics: Study
One dose at a time is less expensive and eliminates need to walk around with IV pole, expert says
HealthDay News2011年3月2日
Answering lingering questions about the treatment of acute heart failure, investigators have determined that there are no real differences in how patients fare when they're given diuretic therapy one dose at a time or continuously.
Nor was there any real difference in outcomes with the lower versus the higher dose, although there was a trend toward improvement the higher the doctors went.
These findings should make decisions easier for the doctors around the United States who treat the one million heart failure patients who are hospitalized each year.
"Today doctors all over the U.S. are having to make a decision on how to give diuretics. This gives insight as to the trade-off between efficacy and safety in each decision," said Dr. Michael Felker, lead author of a study appearing in the March 3 issue of the New England Journal of Medicine.
Loop diuretics have been the mainstay of treatment for acute heart failure for 40 or 50 years, but because the drugs were introduced so long ago, they weren't subject to the rigorous evaluation that today's pharmaceuticals undergo before hitting the market.
Scientists are on the hunt for newer and better treatments for acute heart failure, but in the meantime, diuretics are the standard treatment.
As a result, Felker said, "for 40 years, we were basically doing things based on clinical impressions, anecdotal experience, the way that a particular [doctor] was used to doing it. This is the first time we have high-quality data from a randomized controlled trial to help inform that decision."
For this study, 308 patients with acute decompensated heart failure were randomly divided into two groups. One was to receive furosemide (Lasix), the most commonly used diuretic for heart failure, intravenously by a bolus every 12 hours; the other would get it by continuous infusion, and both groups would get high and low doses.
Symptoms and measures of kidney function after 72 hours were about the same in each group.
But looking more closely at the data, the researchers found "a pretty strong suggestion that the high doses are actually better," said Felker, associate professor of medicine at Duke University Medical Center in Durham, N.C.
This goes against the grain of what people had been thinking: that high doses might be dangerous, he said. Also, many people had thought continuous administration was probably better but, Felker said, "the results were completely neutral. There was no difference."
"This study shows that as a general strategy, it is reasonable to use IV bolus dosing instead of continuous infusion dosing of furosemide for patients hospitalized with heart failure," said Dr. Stuart Katz, director of the Heart Failure Program at New York University Langone Medical Center in New York City.
"This is important because the continuous infusion is more expensive," he said. Also, the IV pole needed for the pump hampers the patient's ability to walk around, he noted.
But the study also showed that "the post-discharge event rates for patients hospitalized with heart failure is extremely high," Katz added. "Much more work is needed to develop effective strategies to reduce this risk."
An editorial accompanying the study echoed this sentiment. The trial "underscores the dismal prognosis for patients with acute decompensated heart failure," wrote Dr. Gregg Fonarow of the University of California at Los Angeles.
Fonarow commended the study for introducing the concept of comparative-effectiveness studies into the field of heart-failure research.
"In this well-conducted study, performed at institutions that have highly regarded programs for patients with heart failure, there was an unacceptably high (43%) rate of death, rehospitalization, or emergency department visits within the first 60 days, irrespective of treatment assignment," he said.
"Clearly, there is a crucial need to develop new agents and effective strategies for this patient population," he concluded.
More information
The American Heart Association has more on heart failure.
SOURCES: G. Michael Felker, M.D., associate professor of medicine, division of cardiology, Duke University Medical Center, Durham, N.C.; Stuart Katz, M.D., director, Heart Failure Program, New York University Langone Medical Center, New York City; March 3, 2011, New England Journal of Medicine
23.Ibuprofen Linked to Lower Parkinson's Disease Risk
New research strengthens association, but more study is needed, experts say
HealthDay News2011年3月2日
Regular users of ibuprofen may be reducing their risk of Parkinson's disease, according to new research that echoes previous findings.
"We found ibuprofen, a commonly used drug by Americans, could be neuroprotective against Parkinson's disease," said researcher Dr. Xiang Gao, an instructor in medicine at Harvard Medical School and a research scientist at Harvard School of Public Health. The neurological disorder causes movement problems.
"Protective effects are seen after taking ibuprofen two or more times a week," he said. "That's so-called regular use."
The finding, published online March 2 in the journal Neurology, adds to the results of previous studies, some of those conducted by Gao, showing a protective effect.
"At this time, we still don't know the exact mechanism," Gao said.
The study was funded by the U.S. National Institutes of Health.
As promising as the finding may be, Gao said there are no reasons to start taking ibuprofen to ward off the disorder, which affects 1 million Americans. "I don't recommend ibuprofen to protect against Parkinson's," he said. "We just see an association, not some causal relationship."
Another expert agreed the finding doesn't warrant taking up an ibuprofen habit to reduce Parkinson's risk. "It's way too early for that," said Dr. Michael Rezak, director of the Movement Disorder Center at Central DuPage Hospital, in Illinois.
Overdoing ibuprofen is accompanied by risks, Rezak said. "The major risk is GI hemorrhage and bleeding."
For the study, Gao analyzed data from nearly 99,000 women participating in the Nurses' Health Study and more than 37,000 men enrolled in the Health Professionals Follow-Up Study.
Participants were asked about their use of nonsteroidal anti-inflammatory drugs such as ibuprofen, and their use of other medicines such as aspirin.
During the six-year follow up, 291 cases of Parkinson's disease were identified.
Those who used ibuprofen had a 38 percent reduced risk of developing the disease compared to those who didn't use it, even after taking into account age, smoking and other factors.
When the researchers conducted a larger analysis using data from other studies on ibuprofen, other NSAIDs and disease risk, they found that, overall, ibuprofen users reduced their risk of Parkinson's by 27 percent compared to non-users.
No reduction in risk was found for those who took aspirin or other NSAIDs.
The ibuprofen may reduce inflammation thought to be a factor in the disease, Gao said. Or, it may target a receptor in the brain, peroxisome proliferator-activated receptor y (PPARy).
What is known about PPAR, he said, is that it can inhibit cell death and oxidative damage.
Rezak said the research focus has shifted in recent years from treating symptoms to finding ways to detect Parkinson's disease before symptoms strike so neurons can be protected. Ibuprofen, he said, "may have some disease-modifying, neuroprotective effect in Parkinson's disease."
The finding is made more interesting, Rezak noted, because the link between reduced risk and medicine was limited to the ibuprofen.
In an editorial accompanying the study, Drs. James H. Bower and Beate Ritz bring up another possibility. It's believed that Parkinson's may begin to develop up to 20 years before motor problems appear. They ask: "Could gastrointestinal symptoms cause a patient with preclinical [Parkinson's disease] to be less likely to take ibuprofen regularly, thus explaining the association?"
More information
To learn more about Parkinson's disease, visit the U.S. National Institute of Neurological Disorders and Stroke.
SOURCES: Xiang Gao, M.D., Ph.D., instructor, medicine, Harvard Medical School, and research scientist, Harvard University School of Public Health, Boston; Michael Rezak, M.D., Ph.D., director, movement disorders center, Central DuPage Hospital, DuPage, Ill.; March 2, 2011, Neurology, online
24.病院報告(平成22年11月分概数)
25.プレスリリース
1) Avian influenza – situation in Indonesia
2) Opioid Pain Killers Linked to Increased Risk of Some Birth Defects
3) 筋肉における新しい糖取り込み調節機構の解明
4) DNAの複製メカニズムに新たな発見
5) 喘息・花粉症の原因物質産生は、合成酵素の2つのアルギニン残基が鍵
6) 後期転移性乳がん患者様における「HALAVEN®」の主要臨床試験結果がLancet誌に掲載される
7) The Lancet Publishes Results from Pivotal Study of Eisai's Halaven™
8) アムロジピンOD錠2.5mg/5mg「トーワ」・アムロジピン錠2.5mg/5mg「トーワ」の高血圧症に対する2251例の使用成績調査の結果公表について
9) 血中の酸素飽和度など測定するパルスオキシメーター「ファインパルス」2機種を発売
10) 抗精神病薬オランザピンの適応追加申請~双極性障害におけるうつ症状の改善~
11) 新たに判明した忠犬ハチ公の死因について
◆内容
◆東京大学大学院農学生命科学研究科 獣医学専攻 獣医病理学研究室
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